一難いちなんさって、また一難いちなん

ここは谷間たにまくだざか

大きな岩のおばけ・・・がトオセンボ。

こんどはナゾナゾで勝負ぅ??

答えられたら、通れるんだって。

なんで? なんで? どうしてあたしのく手をジャマするの??

ひょっとして、これも魔女まじょのろい?

それでも……やるっきゃない!



*********



『パンパカパ〜ん!!! ゴーレムのナゾナゾ答えてピッタンコカンカ〜ン!!!!』

このハイテンションなのが岩のおばけ、ゴーレム。

よく見ると砂のかたまりのようだ。

砂の上に目と口だけがついていて、自由にうごいている。

このおばけが道をふさいで、あたしは先にすすめない。

「本当に 正解 せいかい したら、そこ、どいてくれるの?」

『もちろんでやんすぅ。でも、答えられるんでしょうかぁ。それとも、答えられないんでしょうかぁ。正解できればいいですがぁ、まちがえたらカッコわるいなぁ、はずかしいなぁ。ヒョヒョヒョ。』

このゴーレム、さっきからずっとこんな話し方をする。

口もとがニタニタとヤなかんじ。

でも、ナゾナゾには少しきょうみがある。

前に、ミシェルとお友だちがナゾナゾの出しあいっこしてたのを、横できいていた。

ナゾナゾはこう……あたまをひねって考える遊びだ。

答えられたら、きっと楽しいにちがいない!



「どの問題もんだいにしようかなぁ……ヒョヒョ。むずかしいのと、すごくむずかしいの……どっちがいいでやんすかねぇ。」

「あたしここを通りたいから、すぐわるやつにして。」

「それはできない相談そうだんでやんすぅ。」

「ちぇっ…。」

『ヒョヒョヒョ。きめたでやんす。かくごはいいでやんすかぁ?それでは、いくでやんすぅ…。』

はじめてのナゾナゾ。

ちょっとドキドキしている。



『ジャジャン!! 問題もんだいでやんす。

《答えはかんたんなのに、この国でいちばん頭のいい学者先生がくしゃせんせいがまちがえてしまった問題があったでやんす。
でも子供たちはすぐにわかったでやんす。さて、その答えとはなんでやんすか?》

ヒョヒョヒョ……。』

??なに。……むずかしくない?

あたしが思ってたナゾナゾとはちょっとちがう気がした。

頭のいい学者がくしゃがわからなかったものが、あたしにわかるわけないと思った。

だけど、子供たちはわかったんだ……。

大人は知らないけど、子供は知ってるものってこと?

なんだろ。 おもちゃのこと? 子供たちだけの暗号あんごう

おもちゃはそもそも大人たちが買ってくるものだ。

この国の子供たちだけがわかる暗号なんて、あるわけない。

う〜ん……。

「ねぇ、ヒントちょうだい。」

『ヒョヒョヒョ。ギブアップでやんすか? むずかしかったでやんすかねぇ。またのチャレンジをお待ちしてるでやんす。出口はあちらでゴザイぃ〜。』

「ヒントよヒント!あたしまだあきらめてないから!」

『しょうがないでやんす。出血しゅっけつだい サービスでやんすよ。ヒントは " 答えはもう言った " でやんす。』

「答えはもう言った?」

『そうでやんす。わからなくても、なにか答えてほしいでやんすぅ。できたら間ちがえてくれると、うれしいでやんすぅ。" ぶっー " って言いたいでやんすからぁ。』

ゴーレムは答えを知ってるんだから、楽しいだけだ。

あたしは 真剣 しんけん なぶん、イライラもする。

「" もう言った " が答えってこと?」

『ブッブー!!!! ヒョヒョヒョ! ちがうでやんすぅ!!!!!』

ゴーレムは勝ちほこったように目玉と口があっちにいったり、こっちにきたり。

それを見てたらハラもたつ、が……ちょっと待って……。

なんだか今、答えに近づいたような気がした。

たぶん、答えはゴーレムが言った 言葉 ことば の中にあるんだ……。



「そっか……。わかったわ!」

あたしはトクイな顔をゴーレムに見せつけた。

『ヒョヒョヒョ。正解でやんすかね、間ちがいでやんすかね。どっちでやんすかねぇ。それでは答えてもらいまひょ。』

学者先生や子供たちってのは、ナゾナゾを分かりにくくするための、あって無いような話しだ。

ほんとうの答えはさいしょからゴーレムが言ってた。

「答えは " かんたん " よ!」

『ぐぬぬ……………………正解で…やんす………。』

フフンッ!あたしはドヤ顔をゴーレムにしてやった。

ヒントをもらっといてなんだけど。

でも、はじめてナゾナゾをといた。

イラッとしてたぶん、なんだか気持ちがいい。

そして、この道もとおれる。

「さぁ、ゴーレム。正解したんだから、どいてちょうだい。」

『………あれぇ……たしか3もん正解でって言ったでやんす……あと2もんあるでやんすぅ……。』

「え?? そんなの、さっき言ってなかったよね!」

『第2問でやんすぅぅぅぅ!!!!!! ジャジャン!!!!!!』

なしくずしにナゾナゾがつづくことになった。

そんなのアリなわけ???




『ここにガラス玉があるでやんすぅ。』

ゴーレムは岩から砂の手を2本出してきた。

手には赤いガラス玉がひとつある。

『このガラス玉が、右手かぁ、左手かぁ、どっちの手にあるかを当ててほしいでやんすぅ。』

そう言って、ゴーレムはガラス玉をにぎりしめた。

『あっしは言われたほうの手を開けるでやんす。しかも、何回チャレンジしてもいいでやんす。さて、当てることができるでやんすかねぇ?ヒョヒョヒョ。』

「わかったわ。」

問目もんめがあるってことには、なっとくいかないけど……。

でも、これはナゾナゾでもなんでもない。ただのゲームだ。

何回でもチャレンジできるなら、そのうち当たる。




ゴーレムは一度手を体の中にひっこめる。

そして、 あたらしくにぎりこぶしをふたつ出した。

『さて?さて?どっちでヒョ?右手かな?左かな?』

やだ。右のほうが手がちょっと大きい。

中になにか入ってるのがバレバレだ。

「右よ。右手を開けてちょうだい。」

ゴーレムは右手を開いた。

しかし、ガラス玉はそこになかった。

『ヒョヒョヒョ〜!ざんねんでやんす!ハズレでやんすぅ!!!』

あれ?まぁ、しょうがない。次で当てればいい。




『さて?さて?どっちでヒョ?右手かな?左かな?』

「こんどは左手よ。」

ゴーレムは左手を開けたが、またハズレた。



『あれあれあれ?ないでやんす。うんもないでやんすねぇ。一生いっしょう当たらないかもでやんすぅ!ヒョヒョヒョ。』

???とにかく、半分はんぶんは当たるんだ。

あたしはいいことを思いついた。

左だけをえらび続ければ、いつかは当たるはずだ。



「左よ。」

『ざんねん。ないでやんすぅ。』

「今度こそ、左よ。」

「ハズレでやんす。またどうぞぉ〜。」

「……左。」

「あっちゃぁぁ。……やっぱりないでやんすぅ!ヒョヒョヒョぉぉぉ!!!」

見すかしたかのように、ガラス玉が出ない。

「ちょっと! あんたインチキしてない!?」

『それは言いがかりでやんすぅ。そんなこと言われるとさみしいでやんすぅ……。』

かぼそい声を出しながら、口もとがニヤリとしている。

一回も当たらないなんて、ある?

きっと、どっちの手にもガラス玉が入ってないんだ。

でも、インチキはしてないってゴーレムは言ってるし……う~ん。




そこへ、聞きなれた声がした。

「オホホホ。おバカさんのやることは見ていられませんわ。」

あたしの後ろになぜか……

「え? ……グランディ?なんでここにいるの?」

「まぁ、いいじゃございません。そんなことより、このナゾナゾ、わたくしも 参加さんか してよろしいかしら?」

『ヒョヒョヒョ。どうぞでやんす〜。たくさんいたほうが楽しいでやんすからぁ。』

「グランディ。わかるの?」

「オホホ。これはナゾナゾでございましょ。コツがありますのよ。」




ゴーレムが両手りょうてを出した。

『わっかるかな?どっちかな?これでハズレたらはずかしぃでやんすよぉ。』

「その前にひとついいかしら?どちらかにガラス玉が必ずある。間ちがいございません。」

『その通りでやんすぅ。』

グランディはスッとゴーレムの右手を ゆび さした。

「右手にガラス玉が入ってますわ。でもストップ。あけてもらうのは 反対 はんたい の左手にいたしましょう。」

『……くっ…』

ゴーレムの目がくやしそうにゆがむ。

ゆっくり左手を開けると、そこにガラス玉はなかった。

「左手にガラス玉が無い。となれば、わたくしの言った右手にガラス玉が必ずある。そういうことになりますわ。オホホホ。」

『………正解でやんす。』

「すっごい。グランディすっごい!」

あたしはパチパチパチと手をたたいた。

「オ~ホッホッホッ!ざっと、こんなものでございますわ!」

グランディは勝ちほこってみせた。



なるほど。

あたしが思ったとおり、どっちの手にもガラス玉はやっぱり入ってなかった。

でも、それがわかっただけでは答えにはならないんだ。

やっぱりグランディはいろんなことを知ってると思った。

……あれ?そういえば……。

前にトロルにけとばされたのって、グランディだったんじゃ……?





『つづけて第3問でやんすぅぅ!
《 次の生き物はなんでやんすか?目が3つ、口は2つ、耳は6つ、足が8本、これなぁぁぁんだ。》
さぁ!答えてほしいでやんすぅ!!!!』


なにそれ? まったくわかんない。

生き物ってことは動物?でも、足が8本ってことは虫っぽい。

虫に耳なんてあるの?

グランディも考えこんでいる。

「ねぇ、ヒントちょうだい。ヒント。」

『今回はノーヒントでやんすぅ。ヒョヒョヒョ。次、答えが出たら負けでやんすから。間ちがえてほしいでやんすぅ。』

《 どケチッ!》と思ったが、あたしは言わなかった。

「グランディ、分かりそう?」

「わたくしもぞんじあげませんわ。それに、ナゾナゾでございましょ……。」

グランディがわからないんじゃ、あたしもわからない。

お手上げだ。

……ん?でもこれって、ひょっとして……。

どうせ、まちがえてモトモトだ。ためしてみる価値かちはある。


「わかったわ!!!」

あたしはムネをはって言った。

「答えは " イタミカバ " よ。」

『へ??????』

ほらきた。間ちがえてたら『 ブー 』ってくるはずだ。

でも、あたしが思ってたとおりなら……。

あたしはできるかぎり、早口でたたみかけた。

「イタミカバって、草原そうげんみずうみに住んでるやつね。足がはやくて、水の中もお魚みたいにおよぐのよ。さらにハネがあって空もとぶのよ、ね。」

「オホホ。エルシー、さすがですわ。わたくしもわすれてましたわ。答えはイタミ…カバですわ。」

グランディもすかさずあたしの作戦さくせんにのってきてくれた。

『へ?ちょ…ちょっ……。』

ゴーレムがとまどってる。

そりゃそうだ。

あたしは言ったのは、ゴーレムはゼッタイ知らない、デタラメなカバの名前。

グランディだって分からない問題なんだ。

つまり答えなんて " さいしょからない " って、あたしは気づいた。

とっさに考えたにしては、いいネーミングだ。

ギャクから読んだら、フフッ……それはゴアイキョウ。

「それにイタミカバは岩を食べるのよね。おいしそうな岩をもとめて、よく空をとんでるわ。あっ、あなたはおいしそうだから食べられちゃうかも。あははっ!」

あたしはそう言って、空を見あげた。


バサッ!バサッ!バサッ!


あれ?空になにかとんでる。鳥みたいだけど…かなりおっきい!しかも、こっちにむかってきてる。

大あわてなのは、あたしのはなしをまるまるしんじたゴーレムだ。

『そ…そんな……まさか……!イタミカバがきたでやんすぅぅぅぅぅ!!!!!』

ズザザザザザザァァァァァァア

岩が砂となり、くずれだした。

中から小石の人形が出てきた。

『早く!早くにげるでやんす!!!!』

パニックになるゴーレム。

飛んできたのは大きな怪鳥かいちょう

ギャァギャァギャァ!!!!

けたたましい声を出して、わたしたちをおそってきた。

きっと、わたしたちをネズミか何かと思ったんだ!


バサッ!バサッ! ガシっ!!!


怪鳥はするどい足でゴーレムをつかむと、とび上がった。

『イタミカバに食べられるでやんすぅぅぅ!!!!』

ゴーレムは泣き声にもにた悲鳴ひめいをあげる。

その手はグランディにしがみつき……。

「ちょっと、なんでわたくしまで!? おはなしなさい!!!」


バサッ!バサッ!バサッ―――………!

怪鳥は空高くとびあがる。

「ヒョェェェェェぇぇぇぇぇ…でやんすぅぅぅ………………。」
「いみがわかりませんわぁぁぁぁぁぁっっっっ………………。」





そのまま山の向こうがわへ飛んでいき、見えなくなってしまった。

……イタミカバ…じゃ、ないんだけど。

これはまさにウソから出たマコトってやつ?

いじわるなナゾナゾなんか出しちゃうゴーレムが悪いんだ。きっと。

でも、だいじょうぶ。2人ともあの鳥に食べられることはない。

だっておいしそうじゃない。……たぶん。



それにしても、グランディはなんでここにいたんだろ?

すこし考えたけど、それが今いちばんのナゾだ。

よくわからないから、考えるのはやめて、あたしは魔女をさがす たびにでた。

 



つづく

 

 

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